中国の賃貸住宅事情|「騒音」について

日本と中国の住宅事情の違いの一つに「騒音」の問題があります。
●上階・隣室の騒音~工事の騒音~
日本と大きく違うのが、中国ではコンクリート打ちっぱなしのままの分譲で、個人オーナー物件が多い為、オーナーが替わる度に内装をやり直したり、どのマンションでも内装工事が頻繁に行われているのが実情です。
その為、長期間に渡って内装工事の音が鳴り響き、やっと終わったかと思うと、また他のお部屋の内装工事が始まったり・・・と、ストレスの溜まることが多いでしょう。
特にローカル物件では、内装工事を始めるからといって、周辺のお部屋に挨拶をするというような習慣はないので、余計に不快に感じてしまうかもしれません。
その点、日系のサービスアパートメント等の企業オーナー物件では、内装工事が頻繁に行われることはないでしょうし、あったとしてもキチンと事前の事情説明と挨拶をされていたりと、日本人には受け入れやすいでしょう。
ちなみには上海には、
夜18時~翌朝8時までと、祝日は、著しい騒音が出る作業をしてはいけない
という規定があります。
●上階・隣室の騒音~生活音~
これは日本でもあり得る問題だと思いますが、周りに気を遣わず、朝晩関係なくバタバタと駆け回ったり、ドンドンと音が鳴り響いたり、大音量でTVを見ていたり・・・と、上階・近隣の生活音も気になります。
気になりだすと、敏感になり過ぎて、ドアの開け閉めの音や、椅子を引く音等、ちょっとした物音でも気になったり、ずっと我慢していると、精神的にも参ってしまいます。
上階のお部屋の騒音だと思っていたら、結局違うお部屋の騒音だった・・・とか、当の本人はそんな風に周囲に迷惑をかけていたとは全く気付いていなかった・・・などということもよくあることです。
ですので、早めに物業管理会社に相談して、原因を追及し相手に注意を促すことが問題解決の近道だと言えるでしょう。
●花火や爆竹の騒音
ローカルの物件に住んでいると、祝日や結婚式等のお目出度い日に敷地内で花火や爆竹を鳴らす習慣がある為、騒音に敏感な方には辛いかもしれません。
慣れればなんてことないんですが、休日の朝早くから爆竹や花火の音で起こされてしまうこともあります。
花火や爆竹の中国の昔からの習慣はクレームしたところで、聞いてもらえるとは思えませんが、内装工事の音や生活音による騒音であれば、物業管理会社にクレームすると、効果は別として、相手に注意してもらえるので、少しは改善が期待出来るでしょう。
日本から中国に移り、住まい環境がガラリと変わり、それだけでもストレスが溜まることも多いでしょうから、無理をして我慢せず、相手に注意を呼びかけるべきだと思います。しかし、こういった中国の独特の習慣や住宅事情を理解し、受け入れる覚悟もある程度は必要かもしれません。

中国の賃貸住宅事情|照明に対する概念の違い





日本人のお客様をお部屋を案内する際に、「室内の照明が暗い」とおっしゃることが多いのですが、確かに中国のお部屋の照明は日本に比べると暗いと感じます。
しかし、中国人のオーナーにはそれが「暗い」とは感じていないし、「暗い」と言われている感覚自体が分からない様子。
これには、照明に対する概念の違いがあると言えます。
日本のご家庭では一般的に、照明には蛍光灯が多用されていて、その中での生活に慣れています。
また、蛍光灯には蛍光灯の良さがあり、明るく省エネ。
蛍光灯の他に使われる電球にしても、昼白色(白っぽい寒色の明かり)が多いようです。
意外なことに・・・
世界の照明事情を調べてみると、ヨーロッパにしても、アジアにしても室内に蛍光灯を使われている国は大変稀。
特にアメリカやヨーロッパのほとんどの家では、逆に白熱灯の照明が多いようです。
そのせいか、欧米の住宅は、外から見るとお部屋からこぼれる明かりはどこか暖かく、とってもムードありますよね?
一方、日本の室内照明ですが、、、
マンションなんかを外から見ると、白色と電球色が入り混じっていて、お部屋によって其々。
どちらかと言えば、「暗い=目に悪い」という概念が主にあって、ムードよりも明るさを求められている方が多いのが分かります。
日本では、商店でも家庭でも、蛍光灯をふんだんに使うようになりました。
そもそも、日本で蛍光灯が広く使われ始めたのは1950年代のことだそうです。
当初は潜水艦などの照明に使われていたものが、その内、商店から家庭まで広く使われるようになり、日本国中が明るくなりました。
他国の人達からみると、明るすぎる室内なのかもしれません。
私達はその照明環境の中で慣れて来た為、蛍光灯のない室内を暗く感じてしまうのでしょう。
それはそれで、「日本特有の照明習慣」と言えるでしょう。
このように、照明に対する概念の違いがあることをちょっと頭に置いておくと、いいかもしれませんね♪
正直、中国のお部屋で、日本と同じような明るさが整っている物件は期待出来ないでしょう。
なので、もし照明に満足いかないのであれば、お好みによって照明を追加購入するという手もあります♪
また、どうしても日本と同じような室内の明るさを求められるのであれば、日系の設計管理が出来ているサービスアパートメントであれば、日本人の感覚で設計されているので、ローカル物件よりも明るいお部屋が見つかるかもしれません。

中国の賃貸住宅事情|水質の違い

中国にいらっしゃって、家具家電が揃ったお部屋で、不自由を感じない生活環境の中にいると、ついつい日本と同じ感覚で生活出来ると錯覚しがちですが、やはり日本とは違う点もあります。
その1つが“水質”の違いです。
日本と違い水道水をそのまま飲めないということは、皆さんご存知なのですが、水質の違いについては意外と見落としがちです。
例えば、「洗濯機をクリーニングしているにも関わらず汚れやすい」とか「髪の毛がきしみ易い」等の問題を引き起こしているのも、水質の原因であったりします。
地域にもよりますが、基本的に日本の水は「軟質」、中国の水は「硬質」。
水質自体が違うことを忘れてはいけません。
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硬度計算式は,水中の「カルシウムイオン」と「マグネシウムイオン」の合計量をこれに相当する炭酸カルシウムの量に換算して、1リットル中に何ミリグラムあるかで表示します。
硬度=(カルシウム×2.5)+(マグネシウム×4.1)
こうして求めた硬度が,100以上のものを硬水, 100未満のものを軟水といいます。
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洗濯 :石けんが泡立ちやすく、汚れがよく落ちる。
料理 :豆や野菜や御飯を煮炊きするのに適している。
日本茶:色や渋みが出やすく、適している。
硬水の特徴(中国)
洗濯 :石けんの泡が立ちにくく、汚れが落ちにくい。
料理 :肉を煮るときにアクが出やすく,おいしく調理できる。
日本茶:色や渋みがあまり出ない。
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中国人は日頃から油っぽい食事をしたり、日本人のように毎日お風呂に入る習慣がないので、洗髪剤の洗浄力が日本のものに比べて強く、日本人の髪には強すぎるということに加え、水質が原因でパサパサになりがち。
そこで、簡単に取り入れられるヘアケアの方法の一例としては・・・
・シャンプーの際は、できるだけ細かい泡を作って洗う。
・すすぎの仕上げに、軟水のミネラルウォーターをかける。
・“酢リンス”をする。
(日本でも“酢リンス”されている方がいらっしゃるようですが、酢とリンスを混ぜて髪の毛をマッサージすることで、髪の毛のきしみが随分改善されます。)
洗濯
先程も挙げたように、「汚れが落ちにくい」というこちらの水質もあり、洗濯槽内にカスが溜まり易く、日本での洗濯槽クリーニングの頻度以上にクリーニングしなければ、追いつかないでしょう。
また、洗濯物に石鹸カスが付くと石鹸カスが酸化されて黄ばみの原因にもなります。
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硬水の地域では、蛇口の周りやシャワールームのガラス戸、珈琲メーカー、炊飯器、加湿器などに白いミネラルが析出してしまいます。
これがこびり付くと、洗剤で洗っても擦っても汚れはとれません。
この頑固な汚れには酸が効きます。お酢を上手に使うとお掃除がぐっと簡単になりますよ♪
★濡れているところにお酢をスプーレーするだけ。そのまま自然乾燥。
★こびり付いているところには、ベーキングソーダを振りかけてから、お酢を染込ませたスポンジで擦ります。
★汚れがひどくしばらく浸しておきたいような場合には、お酢に水とシャンプー少々を混ぜてスプレーしてしばらく置くか、お酢を染込ませペーパータオルを貼付けておくと良いです。これにベーキングパウダーを併用すると更に効果があるとか。
お酢はスーパーやコンビニなどで売られている無色透明の「白酢」が安くていいですよ♪
お酢の臭いが気になりますが、時間が経てば消えるでしょう♪
これらの性質を知った上で生活すると、随分違うかと思います♪


中国の賃貸住宅事情|家具・家電

基本的にこちらの賃貸物件には、家具家電が既に備わっている為、いちいち自分で購入する手間も、引越し時の煩わしい手間も省けて、大変便利なのですが、一般的に中国製品は壊れ易く、あまり期待は出来ません。
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と言うのは、「入居時に有無だけを確認していたら、使おうと思った時に使えなかった(機能しなかった)」とか、「買ったばかりの冷蔵庫が機能せず数日も経たない内に返品した」とか、逆に「冷凍庫内がカチンカチンに凍ってしまって開かなくなった」等というような話を聞くこともありますから、こちらの家電製品は品質的にあまり良いとは言えません。
また、家電製品は日系のメーカー或いは大手メーカーの製品だと、万一故障や不具合があった際、クレーム対応・修理手配などのアフターサービス体制が比較的しっかりしているので、安心です。
そういった訳で、入居前には家具・家電の入念なチェックが必要なのです。

中国の賃貸住宅事情|水回り

こちらの水回りの状況は、決して良いとは言えません。

配管の水漏れや詰まりは、日常的によく発生するトラブルの1つと言えるでしょう。
元々配管や水回りが悪いので、トイレ


特に、トイレは紙を流すことを前提として造られていないと思われるほど、流れが悪く、ちょっと多めに紙を流したりすると、すぐに詰まってしまいます。中国の公衆トイレなんかを利用すると、トイレ脇に屑篭が置かれていて、そちらに使用済みのトイレットペーパーが捨てられているのを見ると、
「なるほど!

また、お風呂の排水も、髪の毛が詰まるなどして、排水が悪くなることが多いので、日本で市販されているヘアー・キャッチャー(髪の毛取りネット)等を持参された方が、良いかもしれません。
自分では気が付いていなくても、下階の人から「天井から水漏れがする」と、クレームされるケースも見られます。
逆に言えば、上階からの水漏れもあり得るということです。
勿論、そういったケースは、日本でも見られることですが、中国の方が そういった問題が発生する確率は、断然多いと言えるでしょう。

マンションの管理会社に連絡して、修理スタッフに見てもらうという手もありますが、その都度見てもらうというのも、なかなか億劫なもの。
至って基本的な対処法ですが、万一排水が詰まった場合は、ラバーカップ(お椀の形のゴムを逆さに置いて棒がついている器具)を使う等して対処しましょう。このラバーカップは、スーパーや建材屋さんで安価で手に入ります。
万が一の時の為に、備えておくことをオススメします。
あとは、日頃から排水管に異物が流れないように、工夫してみましょう♪
